2021年3月20日4 分
月刊サンKスポーツ 2021年3月号
【大成日誌vol.3 『道』】
サポータークラブの皆様こんにちは!
2月27日 Krush.122 では拳成への温かいご声援本当にありがとうございました!!
試合終了時には退場の仕方からも大変多くの皆様にご心配をおかけしましたが、幸い病院での検査では特に大きな怪我は見られませんでした。
戦前の下馬評では有利と見られていた相手選手に対して、奢ることなく準備は進めてきましたが結果は結果。リングで出たものが全てです。
試合の後の“なにか”をおとしたという感覚は、言葉にもならずそこで経験したものにしかわからないものかもしれません。
プロとして戦う以上、負けていつでも先があるなんて甘い世界ではありません。
しかし、試合に勝っても負けても、人生は続きます。
その続く人生の中でこの感覚を克服しなければ、人としても選手としても前には進めません。
敗者には何も残らないとはよく言われますが、その敗北から何を拾い上げるかで、どれだけ強く立ち上がれるかが決まります。
勝つ事も負ける事も意味のないものは無く、その一戦をどれだけ大切なモノとにしていけるかはどれだけ本気で向き合えるか次第です。
厳しい勝負の世界でこういった強烈な経験が出来るのは、戦ってくれる相手、今回で言えば素晴らしい姿勢で試合に臨んでくださった大野選手という存在がいたからこそ。
僕らが試合に勝つ時、勝った時には相手選手にこういった時間や経験がのしかかります。
だからこそ、僕達にとって勝つ事は凄く特別な事です。
勝って驕らず負けて腐らず、一戦一戦の有り難さに感謝を忘れず、僕らは進みます。
格闘技がただ「誰かを倒す、傷付ける」もので終わらず、何かを生み出せるように。
その何かは人に温かい何かを感じてもらえるモノであるように。
手が折れても、足が動かなくても僕らの気持ちは変わりません。
生み出したモノが波のように広がり、どこか知らない所にも笑顔や勇気を生み出せるよう、強さを突き詰めていきます。
その先にあるのはありがとうでありますように。
この記事が更新される今日はK’FESTAでの魁成の試合前日になります。
是非とも沢山の想いを乗せて応援してください!
祈るような気持ちで僕も道を作ります。頑張ります!!
近藤大成
【Time waits for no one】
こんにちは!奈良坂です。
本連載もこれで3回目です。
コロナでいろいろ止まってしまっている世の中でありますが、時間だけは待ってくれず、もどかしい日々が続きますね。
格闘家をアスリートの定義にはめるかどうかの議論は一先ず置いておいて、多くのアスリートの選手寿命は非常に短いです。
トップの選手で一般的に15〜20年という時間の中で、試合が思うように試合の出来ない現状や、海外との行き来が無くステップアップのし辛いこの状況は、多くの選手のキャリアを足踏みをさせ、歯痒いものとなっているでしょう。
そんな中でも僕らは今できることを模索し、少しでも残していかなければいけません。
2月の拳成の試合からはRSCさんよりチームジャージの提供がスタート(受注生産する形で今後販売も…?)。
また、長年プライベートでも親交があり近藤三兄弟を支えてくださっていた株式会社天喜さんともいよいよオフィシャルパートナーとして契約。
こんな厳しいご時世でも背中を押していただけることに多くの勇気をいただけます。
その上で、僕らも支えていただくだけでなく、支え合える手段を模索し続けなければいけません。
そして、リングの中で結果を出すために、どんなものでも糧や財産に変えていく取り組みが必要です。
上手くいった部分は奢らず再現性のある要素を抽出することを、上手くいかなかった時はその理由を徹底的に追求することをチームの中で現在取り組んでいます。
今が一番厳しい時かもしれませんが、それでもやめないことが肝心です。
誰もが苦しいこの時期にどれだけ積み重ねられるか。答え合わせは後々やってくることになりますが、今はその時を信じてやりきる力が求められます。
選手が戦わなければいけないのは相手選手だけではありません。
特に、このご時世だと普段以上に安易な甘い誘惑は多く、いくらでも道を外すことは容易いです。
そんな中でも、プロとして強い意思と精神を保ち、自分自身と戦い、真に求めるものを追求する姿は多くの人に光をもたらせる筈。
ここで積み上げた力は必ず花開く時が来ます。
時が待ってくれないのであれば、その時に向かって駆けて行くのみ。
いよいよ明日に迫った魁成の復帰戦、K’FESTA 4でのマキ・ドゥワンソンポン戦。
帰ってきたヒーローに是非ともご注目ください!