来る10月5日(土)、エディオンアリーナ大阪にて開催されるK-1 WORLD GPにおいて、スーパー・ライト級 対 林健太 選手戦に臨む近藤拳成選手に試合直前インタビューを実施致しました。
格闘家ってもっと強くあるべきだ
インタビュアー(以下、Q))試合まで間も無くです。調子はいかがですか?
近藤拳成 選手(以下、拳成))木曜まで練習に行って、朝だけやったら昼からはゆっくりしようかなと思っています。今日(インタビュー日は9月30日)であと3キロなので月火水で塩抜きなんですけど、多分動いていたらあと1キロくらいは落ちそうな感じがするので、水抜き少しして終わりです。
Q)久しぶりのK-1の舞台ですね。おかえりなさい。最後に出たのは何年前かわかりますか?
拳成)K-1出たのは…(最後は)2020年ですね。
Q)最後のK-1の舞台からここまでで、拳成選手に起きた変化は何かありますか。
拳成)格闘技がもう一回楽しくなってきたことですね。
Q)なるほど。もしかしたらその【格闘技を楽しむ】というのが一番難しい時期だったのかもしれませんが、大野選手に敗れてブランクが開いてしまい、ここでK-1の舞台に帰ってくるまでの期間というのは、何が一番大変でしたか。
拳成)んー、頑張ろうとか思ってもその時だけで終わってしまったり、楽しくなかった時は「結果、結果」って感じで思ってしまっていたりしたことですね。望んだ結果が得られない時もですが、試合で結果が出ること自体にもナーバスになったりもして。
純粋に自分が格闘技好きだった頃の気持ちを思い出したことで、強くなることを楽しみながらその中で「良いことも悪いこともあるなぁ」くらいで、あまりネガティブにものごとを捉えることがなくなりました。
Q)そういう意味では、試合自体は勿論ダメージもあるし格闘技の試合は本質的に怖さが伴うものだと思うのですが、今は試合にも以前より良い向き合い方が出来るようになったのでしょうか。
拳成)今回は相手が強敵なのでそこから来るモチベーションの高さもあると思うんですが、考え方が変わったことで練習自体も楽しくなって頭で理解出来ることが増えてきたので、一回一回の練習で自信がつくようになって前より良い試合への向き合い方が出来るようになった感じがあります。
Q)2年ほど試合をしない時期もありましたが、外から見た格闘技、中から見た格闘技、拳成選手自身は今格闘技とどう向き合っていますか?
拳成)最近の格闘家のSNSを見ていると、試合に向けて辛かったこととか、苦しかったこととか、裏側を見せるような発信を多く目にしていて、個人的にはこれじゃないな、と思っています。それは自分自身が何よりそうだったんですけど、自分も周りにそう思われてると思ったら、格闘家ってもっと強くあるべきだと最近は強く感じていて。
強さしか求めてない、ってくらいなのが僕がファンとして見ていた昔の【格闘家の姿】だったと思うんですけど、今は自分の内側で抱えているネガティブな要素を簡単に見せる人が増えてきているなと感じていて。
自分自身がそうだったんですけど、それを一回離れたところから客観視してから、見ている人たちから『強いな』、『凄いな』とシンプルに思ってもらえるようにリング上だけじゃなく、日々を強く生きようと最近は思うようになりました。
『夢』と高くイメージし過ぎていた
Q)K-1グループの試合から離れている間、 小田選手がTEAM3Kから初の王者ということでKrushのベルトを獲得しました。お兄さんと獲る悲願のベルト。先ほど話していただいたネガティブな要素として受け取らないでいただければと思うのですが、仲間でありながらも先を越されたことに悔しさなど思うことはありましたか?
拳成)悔し過ぎて嫌になっていました(笑)
3Kから僕とカイ(魁成)以外で一番にベルトを巻く選手というのが出てきたというのがジムとして始まった頃なんかは想像つかなかったことだったので、小田くんがジム来てくれて3年か4年くらい経つのですが、その間自分は何してるんや、自分はもっと前からプロで格闘技やっていたのに、と思うと悔し過ぎて。
Q) そういう意味では今回の試合は試合そのものに対するモチベーションは勿論、それに加えてプラスアルファの燃料をもらえた感じですかね。
拳成)最近思っていたことなんですけど、僕ら(近藤三兄弟)は小さい頃からKrushを大好きで見ていて、『夢』と高くイメージし過ぎていたのかなと。自分たちはもっと出来るはずなのに、昔からの想いとかがそれを遠くのものにしてしまっていたというか、自分にプレッシャーかけてしまったり、上手くいかないことに必要以上に落ち込んでしまったりとかもして。
自分は叶えられない人なのかなとか思うこともあったんですけど、今はK-1の世界チャンピオンになれると思えるくらい目の前のことに集中出来ているので、Krushのベルトは小田くんに先に巻かれてしまったんですけど、K-1は僕かカイ(魁成)で先に巻きたいです。
Q)小田選手は「世界最強になるんだ!」ってスタンスで、意外とベルトやタイトルに固執するというよりとにかく目の前を一戦を全力で臨むタイプですけど、そういった試合へのアプローチみたいなものが何か自身の試合への向き合い方のヒントになったりもするんですか。
山口さん(独立後も引き続き3Kにてトレーニング参加)、陽勇くん、小田くんは、頭のネジ外れてるというか普通じゃないので(笑)
面白いし、個性的なのもそうなんですけど、彼らを見ていると【器】っていうのは練習から作られるんだなというのは最近凄く感じるので、刺激は毎日いっぱいもらっていて、それを今は試合に向けて自分で磨き上げられているんじゃないかなと感じます。
自分に勝って新しい自分を作る
Q)今回の対戦相手はチャンピオン経験者でもある林健太 選手です。これまで一番の強敵と言っても過言ではないと思います。どんな気持ちで対戦相手、試合を迎えようとされていますか?
拳成)今までの自分だったら100%負けるので、過去の映像とか見ても近藤拳成が攻められて負けるってイメージを持たれても仕方ないと思いますし、そんなことも全部覚悟した上で、過去の弱い自分を断ち切って『新しい強い自分』で行こうと思っています。
Q)試合内容としてはどんな展開をイメージされていますか?
拳成)林選手は誰とやる時でもガンガン前に詰めて、殴って、膝蹴り入れてって感じなので、その流れに飲まれないようにというのは第一に意識はしています。
Q)最後にこの試合にかける意気込みを教えてください。
拳成)この試合のためではなく根本的に自分を強くしよう、と思って、今年の6月くらいのタイミングから早朝の朝練から、プロ練、合間のランニング、ムエタイや出稽古にも行ったりと色んなことを見直して取り組んできて、嫌だなと思う日も乗り越えることで自分に勝って新しい自分を作るって決めてやってきたし、試合までもやっていくので、10月5日は『新しい近藤拳成』を皆さんに見せたいです。
本インタビューはロイヤル・パートナーである 株式会社河村物流 様と 松本機工 様の提供でお届け致しております。
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